こんにちは、新橋にて事務所運営をしておりますフェアネス税理士事務所代表の小長井です。今回は減価償却の特典である特別償却・税額控除についてご説明します。会社経営をされている方でしたら、資産を購入した際に顧問税理士に「社長、高額な資産を購入しましたよね?特別償却と税額控除どちらを選択しますか?」なんて聞かれたことないですか?なんか資産購入初年度の税金が安くなるからとりあえず特別償却!なんて答えていないでしょうか?確かに資産購入初年度は特別償却の方がお得ですがトータル期間で見る必要があるんです。その詳細の解説は本編でしていきますね。その前にそもそも減価償却とは何ぞやというかたについては過去のブログで解説をしてますので下記のURLをご参考ください。こちらのブログでは社長がなぜ中古ベンツを購入するかについても解説してますのでぜひあわせて読んでくださいね。
中古自動車の購入は節税になるか?!~社長がベンツに乗る理由~ | フェアネス税理士事務所 (fairnesstax.com)
目次
1特別償却
それではまずは特別償却からご説明していきます。通常の減価償却とは違うの?と思った方。その通りです違います。なんと行っても【特別】償却ですから。国が企業に資産を購入してもらって経済を回してほしいということで税制特典をつけているのです。お菓子買ったらおまけのおもちゃがついてくる感じです。普通の時もお菓子を買うけれど、買うか悩んでいるときにおまけのおもちゃがついているの?!じゃあ買っちゃおうみたいな感じです。しかしお菓子のおまけのおもちゃの際も、おもちゃ欲しさに食べたくないけれどお菓子買うみたいになることがあると思いますが、資産購入する際も特別償却があるから資産買っちゃうという行動はやめましょう。特別償却はあくまで特典で、不要な資産を購入する必要はないです。前置きが長くなりましが、特別償却とは通常の減価償却にプラスして一定の価額(多くは購入した資産の購入金額の30%)を資産を購入した事業年度に費用処理することができるという制度です。通常の減価償却に合わせて30%も費用が増えるの最高と思った方。これは費用の先取に過ぎません。購入した資産が1,000万円の機械だとします。定額法の5年とした場合は、通常償却は1,000万円÷5年=200万円、特別償却は1,000×30%=300万円となります。合わせて購入初年度で合わせて500万円の費用を計上なったというだけです。それでも1年1,000万円現金の支払をして300万円×税率30%=90万円の税金が安くなることは手持ち現金に余裕をもたせる効果はあります(専門用語でキャッシュフローが良くなるなんていいます)
2税額控除
つぎに税額控除を見ていきましょう。【税額】を控除する。字の通りの意味です。特別償却が減価償却のまえがりに対して税額控除は本当に税金が安くなります。これこそまさに節税ですね。例えば先ほどの1,000万円の機会を例にしてみましょう。7%の税額控除の特典を使うとします。1,000万円×7%=70万円を法人税から引くことができます。これとは別に通常の減価償却費が5年で1,000万円分費用にできます。
特別償却による投資事業年度の節税効果は90万円でしたので、税額控除の方が20万円低いですが、先ほどお伝えしたした通り償却期間の5年で見た場合は特別償却は1,000万円の費用×税率30%=300万円税金が安くなります。税額控除は300万円+70万円=370万円税金が安くなるので通算で見た場合は税額控除が絶対にお得です。なんだ、それなら絶対税額控除じゃんと思った方、そうです。
税金メリットだけを考えると絶対に、絶対に税額控除の方が有利です。それでは世の中の社長はなぜ単に費用のまえがりの特別償却を取るのでしょうか。理由は一つ。キャッシュフローがよくなるです。
えっ?!それが理由と思った方。会社が存続するには現金が絶対必要です。税金が安くなっても、仕入れ先にお金を払えなければ会社は潰れます。資産の購入した事業年度は現金が多く出ていきます。少しでもまえがりでもなんでも税金を少しでも安くして会社を安定させる。その間、本業で収入を増やすという考えです。悪く言えば問題先送りです。翌年以降に利益が出ないとさらに辛くなりますからね。
3中小企業が適用できる特別償却・税額控除
ではどのような資産が具体的に特別償却・税額控除の適用ができるかみてみましょう!各税制ごどに適用要件が違いますが、共通する部分もあります。まずは共通するところからです。
●特別償却・税額控除両方の適用は不可、どちらか一方を選択する制度になってます
●中古資産の適用は不可
→意外に引っかかり適用出来なくなります。国としては既に市場に出ているものではなく、新品を買ってもらって日本の経済をよくしたいという思惑があります。
●購入だけではだめです。事業供用(実際に使う)ことが要件となってます。
(1)中小企業投資促進税制
●対象資産は新品。一台160万円以上の機械、1台120万円以上の器具備品、取得価額70万円以上のソフトウェア
●特別償却(取得価額×30%)又は税額控除取得価額×7%の選択適用
●対象法人:資本金1億円円以下で青色申告をする一定の法人(税額控除を適用する場合は資本金3,000万円以下)
(2)中小企業投資促進税制
こちらは手続きが複雑ですのでまた後日詳細はブログで上げますが、概要は次の通りです。
●経営力向上計画の認定が必要
●対象資産は新品。一台160万円以上の機械装置、一台30万円以上の工具器具備品、60万円以上の建物附属設備、70万円以上のソフトウェア
●特別償却(取得価額×100%)
→これはかなり強力です。買った資産をその事業年度にすべて費用にできます。かなりの利益圧縮効果あり!でも結局はこれも課税の繰り延べ、トータル事業年度でみたら普通の減価償却と変わりません。
●税額控除取得価額×7%又は10%
4まとめ
特別償却と税額控除違いはわかりましたでしょうか?複雑ですがこれを理解するとグンと税の世界がわかるようになります。税メリットだけを考えるなら税額控除が絶対有利!ですが、なぜ世の社長が特別償却を選択するかというと?もうわかりますよね。キャッシュフローをよくするため!でしたね。税金が安くなっても現金がなくて会社が潰れたら意味がありません。世の中の節税と言われるものの多くは課税の繰り延べで、トータル期間で見たら税金は安くなってません。効果があるとすると一時的にキャッシュフローがよくなるということです。
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