こんにちは、新橋にて事務所運営をしておりますフェアネス税理士事務所代表の小長井です。今回は減価償却の特例である中小企業経営強化税制を確認します。最初に制度の概要を確認し、続いて中小企業経営強化税制の特徴であるA類型、B類型それぞれについて解説をします。そして最後にまとめという流れです。それでは今回も元気に税金の勉強をしていきましょう!
目次
1即時償却もできる節税効果大の制度
まずは節税効果についてさっそく説明します。
特別償却額は即時償却つまり100%と一括で費用処理をすることができます。汎用性が高い即時償却ができる制度は中小企業経営強化税制のみとなっておりますので適用できるかはぜひ検討をして頂きたいです。また税額控除についても選択適用ができます。取得価額×7%(資本金3,000万円以下の法人においては取得価額×10%)が税額控除の対象です。こちらも特に資本金3,000万円以下の会社について取得価額の10%税額控除はかなり大きな効果があります。
即時償却と税額控除どちらかを選ぶかにつきましては、会社の方針によります。即時償却は一回で経費にできますが、例えば法定耐用年数が5年の機械装置でしたら5年後はすべて経費になっているためトータル期間でみたら税金は安くなっていません。これを課税の繰延と言いましたね。トータル期間では税金が安くなってはいないものの、購入事業年度にすべて経費にできるということはその事業年度についてかなり金銭的な余裕がでることになります。一方で税額控除については通常の減価償却とは別にダイレクトに税金を安くすることができるのでまさに節税です。しかも取得価額の10%の税額控除を取れる制度は他にはあまりないと思います。
このようにかなり有益な制度にはなっておりますが、適用を受けるためには少々手間があります。中小企業等経営強化法に規定する経営力向上計画(略して経営力向上計画と呼ぶことが多いです)の認定を受ける必要があります。特定の書式に基づいた事業計画書を作成し、業種に応じた所轄の省庁から認定を受けることで優遇税制や実は金融支援などの特典も受けられます。経済産業省認定の会計事務所や商工会議所等の支援期間のサポートをうけて作成することが一般的です。
対象業種については電気業、娯楽業等以外の業種。対象法人は資本金1億円以下等の青色申告をする一定の中小企業(資本金3,000万円以下の法人については優遇税制があります)対象となる資産については貸付用以外であり、新品の特定経営力向上設備当である生産性向上設備(A類型)・収益力強化設備(B類型)となっております。機械装置160万円以上、工具器具備品は30万円以上、建物付属設備60万円以上、ソフトウエア70万円以上などの高額な資産購入が対象となっております。
また経営力向上計画の申請に期限については原則設備取得前に認定を受ける必要があります。例外として設備取得後60日以内に経営力向上計画が受理されてもOKとなっております。期限の一番の注意点は事業年度末までに承認を受ける必要があります。通常承認は1ヶ月程度かかりますので決算直前の資産購入は間に合わない可能性もあります。私自身もお客様の手続きで決算ギリギリで購入することのご相談を受けた際は可能であれば翌期に資産購入をずらして頂くようにお願いをしております。せっかくの優遇措置を一月調整すれば申請できるのあれば調整した方が良いです。
2生産性向上設備A類型と収益力強化設備B類型
中小企業経営強化税制を受けるためには上記の通り経営力向上計画の承認が必要です。この経営力向上計画の対象となる資産について生産性向上設備(A類型)と収益力強化設備(B類型)の2種類があります。この税制を受けるためには設備投資が経営力向上に資することを証明する必要があります。それではA類型とB類型それぞれについて確認をしていきましょう!
1生産性向上設備A類型
こちらは資産を購入する場合に購入先から工業会等の証明書を取得する必要があります。内容としては下記の通りです。細かい条件がありますが、購入事業者は購入先に対して税制優遇を受けたいので工業会の証明書がもらえるか聞けばOKです。購入資産が対象となっていれば、購入先が証明書を準備してくれます。資産を売る側は中小企業経営強化税制を使えることは大きなセールスポイントとなります。そのため資産を購入する際に案内してくれる事業者も多いです。
(1)販売開始時期(設備区分毎に定められた期間内に販売された設備であること)
(2)生産性向上指標(例:生産効率、精度、エネルギー効率等)に係る要件(年平均1%以上向上)
2収益力強化設備B類型
一方証明書を工業会が発行してくれるA類型とは異なりB類型は自社で投資計画を策定し、経済産業局にて確認を受ける必要があります。
投資計画については年平均の投資利益率が5%以上に作成する必要があります。自社で作ることになっていますが、支援機関のサポートを受けて策定することも多くあります。B類型については経済産業局と所轄の省庁の2回の承認を得る必要があるためかなり手間がかかるものとなっております。
3まとめ
今回の記事はいかがでしょうか。即時償却や多額の税額控除を受けれるため申請手続きなどは複雑となっております。特にB類型に関しては2回申請が必要なため自社で行うよりは会計事務所などと相談しながら手続きを進めることをおススメします。承認を得られればかなり有益な税制優遇になっておりますので高額な資産を購入する際はぜひ検討をしててみてください。フェアネス税理士事務所は新橋、汐留、浜松町、大門から徒歩圏内にある事務所です。中小企業経営強化税制についも初回無料相談を行っておりますのでぜひ下記よりお気軽にお問い合わせください。それではまた次回の記事でお会いしましょう!
【お問い合わせ先】
お問い合わせ | フェアネス税理士事務所 (fairnesstax.com)
【YouTube】
税理士こながいチャンネル
税理士こながいチャンネル【フェアネス税理士事務所】 – YouTube
【Twitter】
まっし教授@フェアネス税理士事務所 (@tonkichi_jp) / Twitter