こんにちは、新橋の税理士事務所、フェアネス税理士事務所代表の小長井です。今どっちらもホットな話題、消費税インボイス制度と電子取引保存制度の関係について解説をします。それぞれの単独での解説はありますが両方同時に触れているものは少ないと思うのでぜひ読んでみてください。またどちらも名前は聞いたことあるけれどよくわからないというあなたも、基礎的なところから解説をしていきますのでぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
1消費税を計算するためには紙書類が必要だった
まずは事業者が消費税を計算する方法から見ていきましょう。そんなこと分かっているというあなたも復習しながらみてください。コンビニ経営が分かりやすいのでこれを例にしてみましょう。あなたはコンビニ経営者です。お客様に雑誌を売りました。一冊税抜き500円でした。消費税は50円です。あり得ませんが、これ以外に何も売上がなければ消費税50円を消費者に変ってあなたが国に納めます。
このように消費税は消費する人から預かったお金を国に納めるため間接税と呼ばれています。
ちなみに自分が直接稼いだお金から納める所得税などは直接税と言います。話をコンビニ経営にもどします。500円で売った本ですが、実は仕入れを税抜400円でしています。その際消費税を40円支払っています。コンビニ経営をするあなたからすると50円の消費税をお客様から預かってはいるものの40円の消費税を仕入先に支払っています。
つまり50円ー40円=10円のみ国に納めれば良いのです。
これがざっくりとした消費税の概要です。この40円当然に預かった50円から引いてますが、実は要件が必要なのです。それは40円分の消費税について請求書を保存していることが要件です。
書類の保存なしに40円は引けないということです。
書類なしでよければずるをする人が大量に出てきてしまいますよね。そしてこの書類の保存については当時は書面つまり紙で保存することが原則とされてました。ただしネットなどで購入した場合は、紙資料が受領できなければ帳簿に一定の事項さえ記載をすれば、紙保存をしていなくて今回の40円を引くことが出来ました。
要は紙がなくて電子データだけでもOKですよ。例外的にということです。実務としてはあまり影響がないですが、電子データ保存はあくまで消費税では例外ということです。
2インボイス制度と消費税の書類保存の関係
では続いてインボイス制度と電子取引した場合の書類保存の関係について解説をします。そもそものインボイス制度ですが、ヨーロッパでは既に導入済みの国が多くありますが、
日本では令和5年10月1日より適用されることになります。
色々な細かいことはありますが、つまりインボイス事業者になって事業者番号を取得しないと取引先が商品を買ってくれても消費税を引くことができないということです。先ほどの例でいうとコンビニ経営者は400円の仕入を行う時に、インボイス制度適用事業者でない事業者から仕入れたら40円を引けなくなる。
つまり50円分国に消費税を納める必要があります。これでは損をしますよね。ではどうすればよいか。インボイス制度を導入している事業者から仕入れをすれば従来通り40円分を引くことができます。この状態では明らかにインボイス制度を導入している事業者から仕入れた方がいいですよね。
だから今、インボイス事業者になりましょうというのが多くのセミナーで言われていることなのです。詳細は以前の記事に書いてありますので下記をご参照ください。
このインボイス制度開始とともに書面による保存だけでなく電子データによる保存も認められることになりました。ただし従来通り紙による保管も消費税法上は可能となってます。
結果は従来と同じですが、
電子データ保存が今後は消費税でも正式に認められるということですね。
ちなにみ法人税でも電子帳簿法に基づいて保管をしていると当然消費税も要件を満たすことになるので、法人税で電子帳簿法を適用する場合には深く意識しなくても大丈夫です。
今までは上記の例でいうと40円を引くための話をしてましたが、コンビニ経営の方も消費税に関しては50円とい預かっているお金の基礎資料の保管はインボイス制度が始まってからは電子取引の場合は電子データ保存が基本ですが、紙の保存もOkです。つまり消費税は紙でもデータでもどっちでも良いということです。
3まとめ
インボイス制度と電子取引の書類保存についていかがでしょうか。少し難しかったですね。それはこの二つの話題がどちらもスタートしていないからだと思います。実際開始をされれば多々不備や疑問が出てくると思いますが、国税庁より都度対応が発表されることになります。私たちにできることは今公開されているデータを収集し今後どのように対応していくかを検討することです。そしていざ制度が始まったらわからないなりに知っていることをもとに対応することが自分を守ることになります。
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