こんにちは、新橋の税理士事務所、フェアネス税理士事務所代表の小長井です。電子帳簿法解説シリーズです。過去に関連記事を書きましたが、今回はスキャン保存方法について解説をします。今後税務の世界でもDXはより一層進みますのでぜひチェックしてください。
目次
1税務におけるスキャン保存の変化
税務上のスキャン保存制度は過去にもありました。しかしそれは非常にハードルの高いものでした。どれくらい高いかというと2019年時点におけるスキャン保存の承認件数は約4,000件にとどまっています。
世の中に数え切れない程の会社があるのに4,000件はあまりにもすくないですよね。これは以前のスキャン保存制度に高いハードル要件である【適正事務処理要件】があったためです。
しかしこれからは廃止をされます。また以前は税務署長に対する承認も必要でしたがこちらも不要となります。かなり簡素的にスタートを切ることができます。ハードルの高い要件が廃止となる代わり、適正な保存をしない場合の罰則が強化されました。こちらも通常通りに運用をしていれば罰則を受けることはありませんのでご安心ください。
なぜ改正することになったか。それは新型コロナウイルスの影響です。悪いことばかりではなく時代が大きく進むきっかけになりました。おそらく新型コロナウイルスがなければ税務の世界のDXもあと10年おくれていたことでしょう。その証拠として2018年の電子帳簿法の承認件数は22万件ありました。しかしそのうちスキャン保存制度の適用も合わせて行い承認を受けた企業数は2千件とたったの0.1%でした。旧来の電子帳簿法を申請する企業もかなり社内体制が整っているところが多いなか0.1%という数字には本当に驚きます。
しかし新型コロナウイルスで在宅勤務が進み、DXが注目を浴び、経理税務の世界でもようやくDXを行っていこうという流れになりました。そして満を持して令和3年度の改正により抜本的な見直しが図られることになりました。要件が緩和されると不正が起きやすくなりますので不正を行った場合の罰則規定も作られることになりました。
ちなにこの新しいスキャン保存制度ですが2022年1月1日以後に保存がされる書類について適用をされることになります。
2スキャン保存具体的にする方法
2022年1月1日より保存方法が変わりますがどのようにかわるか?それは現状のスキャン保存制度を基礎として改正をしていきます。
1)経費精算(経費使用者)
経費費使用者とは会社で言う営業マンです。取引先と飲食をした。領収書をもらったので経理課に申請をしてお金をもらう。基本は紙で行いますが、今までのスキャン保存制度では下記の流れになってました。
(1)領収書を受領、領収書に自署をする
(2)スキャンをしてタイムスタンプを押す。
(1)は、いいですよね。領収書に手書きで自分の名前を書きます。(2)が問題。タイムスタンプを要は電子ハンコみたいなものでいつスキャン保存をしたかというのがわかるようにしなければいけません。システムを導入する必要があるのですがタイムスタンプを1回につき何円みたいにシステム導入後もお金がかかっていました。
これが今回の改正で自署が不要になります。またタイムスタンプも不要になります。
つまり領収書をスマホで撮影して終了です。
ただし、データ保存時刻を証明でき、訂正削除履歴が残るシステムにデータを格納する必要があります。おすすめはマネーフォワードクラウド経費です。現状の電子帳簿法にも対応しており、今すぐにも導入することができます。2022年1月1日以降の改正による料金プランの変更もあると思いますので都度こちらでご説明していきます。
マネーフォワードは個人的にはクラウド会計業界では一番良いと思ってます。難点とすると料金が発生することです。しかし今まで紙で管理していた手間を考えたら毎月数千円の支払いをしてもよいと思います。
https://biz.moneyforward.com/expense/denshi_hozon
2)紙請求書
さきほどまでが経費精算のお話。
これからは取引先から紙で資料を受領した場合、スキャン保存する方法について解説します。
ちなみに現状の請求書スキャン保存制度ではなんと、スキャンをした紙資料原本を確認する人とスキャン保存に不備があった場合に再発防止をする人が必要でした。これではスキャン保存が進まないですよね。どんだけ厳しく管理するんだよって感じです。しかし2022年1月1日以降につていはこの紙原本を確認する人と再発防止を考える人は不要になります。つまり経理の人だけで良いわけです。今までは下記の流れです。
(1)紙資料のスキャンニング
(2)紙資料とデータの確認
(3)タイムスタンプを押す。
今後は(2)(3)は廃止されます。一気に楽になりますね。(3)の廃止に伴い、経費精算の時の同じようにデータ保存時刻を証明でき、訂正削除履歴が残るシステムにデータを格納する必要があります。しかしこれも上記のマネーフォワードクラウド経費を導入すれば解決できます。
3まとめ
スキャン保存いかがだったでしょうか。2022年1月1日以後はスキャン保存を含めて電子帳簿法が大きく変わります。データ保存がスムーズになることは間違いないでしょう。この機会にDXを進めてはどうでしょうか。業務効率が圧倒的に進むと思います。
電子帳簿法に対応するためにはマネーフォワードなどのシステムを導入する必要があります。このシステム代をもったいないと紙で処理をすると損をすることになります。いらない節税商品を買うのでなくホントに必要なシステムを導入しましょう。毎月低コストで効率化できるなら導入しない理由がありません。
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