事業承継のための持株会社とは?

2021.09.04 | 事業承継・相続

こんにちは、新橋にて事務所運営をしておりますフェアネス税理士事務所代表の小長井です。今回は持株会社を使った事業承継のお話をしていきます。この方法は金融機関から多く提案がされてます。実際に使うかは別として、事業承継の世界ではこのような方法が流行っているということを知ることは非常に役立ちます。

1持株会社とは?

持株会社とはその名の通り、株式を持っている会社のことをいいます。株式会社○○ホールディングスなんていう名前がついていることが多いですね。ちなみにホールディングスは日本語で保有しているという意味です。実際に例上げて説明をします。

唐揚げ弁当を製造販売している会社があるとします。もともと株式会社カラベンという一つの会社で製造販売を一括して行っていました。しかし採算管理などの面から会社を分割して管理することにしました。唐揚げ弁当を製造する会社を株式会社カラベン製造、唐揚げ弁当を販売する会社を株式会社カラベン販売、製造工場から店舗までの運送作業も自社で行っていたため、運送部門を株式会社カラベン運送として別会社にしました。この株式会社カラベン製造、株式会社カラベン販売、株式会社カラベン運送の株式をすべて保有している会社として株式会社カラベンホールディングスを設立します。このホールディングス会社は製造、販売、運送会社の管理を行う会社で直接事業を行っていません。事業を行っていないならホールディングス会社はいらないのではないかと思った方、そんなことはないです。仮にホールディングス会社がなければ、3社の株主はそれぞれ別人になり、統一した意思決定が出来なくなります。ホールディングス会社があればそれぞれの株式を100%づつ保有してますので、グループとして統一した意思決定ができます。それならば持株会社を作らないで、株式会社カラベンで
製造、販売、運送まですべてすればいいじゃんと思いますが、さきほどお伝えした通り事業規模が大きくなると一つの会社では採算などが管理しづらくなるため、会社を細分化します。それによって製造、販売、運送会社それぞれでどれくらい利益が出たか分かりやすくなります。

2持株会社を使った事業承継方法

1で説明した持株会社は上場企業などの大企業で行われている手法です。今回ご説明する持株会社は事業承継で使用するものですので名前と構造は一緒ですが使用用途が違います。ではどのように事業承継に使っていくか見ていきましょう。

1)前提
Aさんは70代の会社社長です。20歳から個人事業主として初めた唐揚げ弁当販売会社はAさんは堅実な人柄もあり50年たって、売上5億を超え、相続税評価額(時価も同額とする)7億円の株式会社カラベンに成長をしました。Aさんも50年間むしゃらに働いてきたのでそろそろ隠居をしようと考えてます。
子どもは男3人いますが、長男Bが株式会社カラベンの専務を行っていたこともあり長男Bに事業を引き継いでもらうため、株式を渡すつもりです。

2)持株会社の設立
長男Bに直接株式を渡すのではなく、今回の事業承継のために長男Bが100%出資した株式会社カラベンホールディングスに株式会社カラベン株式を100%譲渡をします。これにより長男Bは株式会社カラベンを株式会社カラベンホールディングスを通じて間接的に支配をすることができます。ちなみに長男Bが多額の現金預金を保有している場合は、株式会社カラベンホールディングスにお金を貸し付けるなどして、株式会社カラベン株式を取得するための原資にすればよいですが、通常は長男Bはそのような現預金をもっていないため、株式会社カラベンホールディングスは金融機関より借入を行い7億円の株式を取得します。金融機関への返済は、株式会社カラベンの収益を株式会社カラベンホールディングスに配当をして、返済をしていきます。

3メリット

持株会社を事業承継のために使うメリットは、遺留分減殺請求をされないということです。遺留分減殺請求??と思った方。説明致します。遺留分とは相続人に保証されている最低限の財産です。相続人は遺留分を超えて取得した他の相続人に対して遺留分を請求することができるます。これが遺留分減殺請求です。長男Bが相続により株式会社カラベンの株式を取得すると次男、三男は遺留減殺請求をすることがあります。しかし、カラベンホールディングスが取得した場合、相続ではなく、譲渡による取得のため、遺留減殺請求の対象外となります。ここがホールディングス会社を使って事業承継を行うメリットです。しかも株式買取原資は金融機関から借りられるため、株式取得資金の心配はいりません。会社社長のお父さんは株式が現金にかわるため相続の際も分割が簡単になります。

4デメリット

ホールディングス株式会社による事業承継は節税効果はありません。相続で取得した場合、相続税率50%とすると7億円の評価額の半額3.5億円の納税資金が必要です。一方で、ホールディングスが株式を取得するためには評価額通りの7億円の資金が必要となります。しかも譲渡した側の社長は株式が現金に代わるだけのため節税の効果ないです(納税資金を準備できるというメリットはありますが)

5まとめ

持株会社は納税資金、遺留分減殺請求対策としては大変意味のあるものですが、節税効果はありません。また金融機関から多額の借入が必要になる可能性が高く、事業会社(カラベン株式会社)が利益を出し、配当し続けることができることが前提となります。メリット、デメリットを理解した上で採用するか是非ご検討ください。フェアネス税理士事務所は無料相談をしてますので下記よりお問い合わせください。

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