こんにちは、新橋の税理士事務所、フェアネス税理士事務所代表の小長井です。マイクロ法人を経営しており、配偶者がいる方、特に給与収入がない配偶者がいる方には今回の記事は必見です。
自分の仕事を手伝ってもらい、経費にできる。そんなすばらしい制度があります。それは配偶者へ給与を支払うです。配偶者に渡した給料は、ご夫婦間の考え方もありますが、共通のお財布に入ることが一般的なため、かなり有効な節税方法になることは間違いありません。ぜひ最後まで読んでいただき、配偶者への給料支払いをご検討ください。
目次
1奥様へは給料を払える?
結論:奥様への給与支払いを経費とすることはできます。
個人事業主やマイクロ法人共に奥様に給与を支払うことができます。
・個人事業主で支払った場合は、確定申告で経費とすることができます。
・マイクロ法人で支払った場合は、法人の経費となります。経費の種類は役員報酬や給与手当です。
それではどちらで支払うと損をするのか??せっかくマイクロ法人を設立したので、損をしたくないですよね。
社会保険料を最適化して税金も安くしたのに奥様への給料の支払いで損をするのはもったいない。せっかくの節税チャンスなので、よりよい選択をしたいですね。これから、どちらの方がお得なのかこれから解説いたします。
2個人事業主で支払う場合
個人事業主で支払う場合、”専従者給与”としての支払いとなります。奥様に、代理で銀行へ行ってもらったり郵便物を出してもらうような事務代行をした場合でも、仕事の対価として報酬を払うことは認められており、もちろん税務署も経費として認めてくれます。配偶者であるために専従者給与を支払えないということはありません。
1点注意です。
個人事業主が奥様へ”専従者給与”を支払う場合、”配偶者控除”が使えなくなります。”専従者給与”と”配偶者控除”のダブル適用ができません。
配偶者控除と専従者給与どちらがよいのか?という話になりますが、配偶者控除=38万円であるため、奥様への給与を『38万円以上』払う場合は、”専従者給与”の方がお得になります。奥様への給与支払いが38万円以下の場合は、配偶者控除を選択した方がよいです。
では、専従者給与で38万円以上というのは、いくら奥様へ支払えばよいのか?
答えは、月額83,000円となります。
主な理由はつぎの通りです
・源泉徴収対象にならず、奥様自身が所得税・住民税の非課税となる。
・旦那様の社会保険に入れる
専従者給与として個人事業主が奥様へ支払った場合、約99万円が経費になります。(月額83,000円×12=996,000円)
配偶者控除は38万円の経費のため、配偶者控除を利用しない方が約60万円お得に経費扱いとなる結果となります。
99万円を奥様へ給与支払いはご家族のお金となるため、結局は自分達の使えるお金となってくれる訳です。
また、月額83,000円の支払いとすることは、源泉徴収の対象にもならない大きなメリットがあります。
サラリーマンの場合は、給与天引きにより、所得税/住民税/社会保険料が自動で差し引かれます。一方、個人事業主は、88,000円までは天引き不要ですが、左記を超えた場合、天引き作業を行い、税務署まで届ける必要が出てきてしまいます。
よって、奥様への給与を「月額83,000円」とすることで、源泉徴収のための天引き作業は不要となります。
【結論です】
個人事業主で、奥様へ給与支払う場合のベストな選択は、配偶者控除を利用せず、月額83,000円を専従者給与として支払うこととなります。
・99万円は所得税住民税も非課税の枠のため、奥様側では税金支払いは不要
・社会保険料は、旦那様の扶養のため、支払いは不要。
3マイクロ法人で支払う場合
マイクロ法人の場合も、前提として社会保険料は旦那様の扶養へ入ること、所得税や住民税が非課税であることがベストです。また個人事業主と同様に支払い額は、996,000円(月額83,000円)が良いと思います。マイクロ法人の場合も経費として扱え、配偶者控除38万円も利用ができます。
ただし、マイクロ法人の場合はひとつ落とし穴があります。マイクロ法人は、シンプル経営が基本です。
マイクロ法人の売上は100万円前後が最適解です。よって、売上100万円の中で奥様の給与を出す事が難しいのではと考えます。ご自身の役員報酬や諸経費を引いた上、奥様の給与を支払う。その場合、個人事業主よりマイクロ法人の方が原資がないため、奥様への給与の費用を残しにくいのではないでしょうか。
理論上、奥様への給与支払いは、マイクロ法人の方がお得ですが、マイクロ法人の収入を考えると、奥様への支払いまでができないのではと考えます。
4まとめ
マイクロ法人・個人事業主どちらも奥様への支払いは経費が可能です。マイクロ法人の場合は、収入が限られているため原資がなく、奥様への支払い費用を確保するのが難しいです。マイクロ法人の収入を増やすことができますが、その分事務手間が増えてしまいます。マイクロ法人の本来の目的は「社会保険料の最適化」です。
ムリに節税、社会保険料を最適化しようとすると仕訳が増えてしまうことは事務手間が増えてしまうことになります。
よって、私は、マイクロ法人ではなく、個人事業主として支払った方が良いかと思います。ついつい節税や社会保障の節約に走りがちですが、何が本質かを見失ってはいけません。節税や社会保障への取り組みは8割くらいができていれば十分です。
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