メールでの取引、紙保存禁止!

2021.10.08 | 財務戦略・経営戦略

こんにちは、新橋にて事務所運営をしておりますフェアネス税理士事務所代表の小長井です。今回は令和4年1月1日施行による電子帳簿保存法の改正によりメールでのやり取りの保管について紙が禁止されたことを解説します。まずはなぜ禁止となったか、そして改正点を確認していきます。それでは本日も元気に税金の勉強をしていきましょう!

1メールのやり取り紙保存が禁止になった理由とは

一つ目の理由はやはり新型コロナウィルスの影響です。経理部の在宅勤務も増えました。取引先との連絡が紙でなく、メールや所定のプラットフォーム上でやり取りするケースが増加しました。実際問い合わせとしてプラットフォームで請求書のやり取りをしていますが、そのままの保存でよいかというのは聞かれます。現在の法律ではわざわざそれを印刷して保管してくださいと言う回答をしていました。しかし紙で出力することは紛失や改ざんをされるリスクがあります。 そこで今後は紙出力が禁止され、一定のデータ改ざん防止をした後電子取引はデータのまま保管をされることとなります。

ちなみに紙からデータに移行するメリットについては下記記事で解説してますのでよかったらご覧ください。
経理をDX(デジタルトランスフォーメーション)しよう! | フェアネス税理士事務所 (fairnesstax.com)

2電子帳簿法の改正内容

では具体的な内容を確認していきましょう。まずは規制が厳しくなったものからです。
1)紙出力について
現行は電子取引について代替措置として紙保存も認められています。改正後は紙保存は禁止です。

2)罰則規定について
現行は特にデータ保存に関して罰則はありません。改正後はデータ保存に不正があった場合は従来の重加算税に10%の上乗せがされます。つまり最大で55%のペナルティーが課せられます。

続いてデータ保存をする際に緩和された事項について解説をします。
1)検索要件
ア.検索項目が取引年月日、取引金額、取引先に限定をされました。
イ.また税務署職員の質問検査権に基づく電磁的記録の提出等の要求に応じる場合は不要となりました。
さらに基準期間(2期前)の売上が1,000万円以下の場合はイ.の要件を満たせばア.の要件は不要となります。

2)タイムスタンプ
改正前は電子取引データ受領後遅滞なくタイムスタンプをつける必要がありました。改正後は電子取引データを受取った後7営業日以内にタイムスタンプを付与すれば良くなりました。ちなみに各事務処理に関する規定がある場には、事務の処理にかかる通常の期間が(MAX2か月)延長できます。

こちらの改正は令和4年1月1日以降に行う電子取引について適用をされます。罰則規定は令和4年1月1日以降に法定申告期限が到来する国税に限られます。

3まとめ

今回の記事はいかがだったでしょうか。税務署はデータで保管をすることを推奨するため、保存要件をかなり緩和してきました。一方で不正があった場合は、ペナルティーを重加算税に加算するというかなり厳しい負担を求めています。そのため電子取引を適切に保存しない場合は大きなペナルティーを受ける可能性があります。知らなかったでは済まないのが税務の世界です。そうならないためにもいまから少しづつでも情報を仕入れていきましょう。
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