こんにちは、新橋の税理士事務所、フェアネス税理士事務所代表の小長井です。
マイクロ法人設立を検討されている方、マイクロ法人を設立したいと思っている方には今回は必見内容です。マイクロ法人で一番重要と言っても過言ではない役員報酬についてお話をしますので、マイクロ法人にご興味がある方はぜひ最後までご一読ください
役員報酬を決める注意点は、税金だけでなく社会保険料の視点を考慮して両輪で検討すること大切ということです。それでは本題にはりましょう!
目次
1. 税金視点の役員報酬
結論:540,000円が一番合理的!(月額45,000円×12か月)
上記の金額を理解するには、所得税の仕組みを理解することがポイントとなります。
個人事業主は収入から経費を引いた差額が利益となり所得税対象となります。一方、サラリーマンやマイクロ法人の給与収入は、引ける経費がありません。
ですが、サラリーマンやマイクロ法人の場合でも、仕事における発生する費用を「給与所得控除」として扱うことが認められています。給与所得控除とは、仮の給与の経費のことです。
給与所得控除は、給与の収入金額に応じ変わりますが、給与収入金額が1,625,000円未満であれば、55万円まで経費として認められております。
役員報酬を年間54万円にすることで、給与所得控除額55万円の枠に収まることができるため、所得税が発生しません。
よって【540,000円】が一番合理的です
[国税庁HPより]
ただ、もう少し役員報酬をもっと欲しいという方は【88,000円未満】で検討することも良いかと思います。
理由は、88,000円未満であれば源泉徴収が不要だからです。
88,000円以上だと源泉徴収のために事務手間が発生してしまいます。
サラリーマンの場合は、会社側で徴収していますが、
マイクロ法人の場合、事務員がないため、社長ご自身で徴収する必要が出てきてしまいます。
源泉徴収や社会保険料を天引きを行い、自分の会社から自分の口座へ振り込む。
しかも、天引いた源泉徴収票を会社で保管し、翌月10日までに税務署へ収める必要があります。
納期の特例といって半期に1回にすることもできますが、原則12回実施で非常に手間な作業となってしまいます。
マイクロ法人は「シンプル経営」が重要です。
なるべく経営は簡素化した方が良いです。
よって、役員報酬を少しでも多く貰いたい場合は、88万円未満がおすすめとなります。
2. 社会保険料視点
結論:756,000円が合理的(月額63,000円×12か月)!
社会保険料は、健康保険と厚生年金で成り立ってます。
厚生年金は支払った分だけ将来自分に返ってきますが、健康保険は、いくら支払ったとしても医療費の3割負担が発生し、恩恵を受けられません。よって健康保険は安い方がお得となります。
社会保険料は、報酬月額によって変わってきますが、
役員報酬を6万3千円とした場合、自己負担額1万905円(健康保険2,853円、厚生年金8,052円)となり一番安価となります。
[全国健康保険協会HPより]
ただ、もう少し役員報酬をもっと欲しいという方は
【93,000円未満】で検討することも良いかと思います。
理由は、93,000円未満であれば厚生年金の支払い金額を変えずにいられるためです。
残念ながら健康保険料は増額してしまいますが、厚生年金は一番低い金額で手取りを増やすことが出来ます。
<月額63,000円の場合>
健康保険:2,853円
厚生年金:8,052円
合計:10,905円
<月額93,000円未満の場合>
健康保険:4,329円(+1,476円)
厚生年金:8,052円(±0円)
合計:12,381円(+1,476円)
3. まとめ
役員報酬を月額45,000円することが、税金・社会保険の観点からも一番合理的な金額です。
また一番手間な源泉徴収の事務手間を減らすことが出来ます。
マイクロ法人はシンプル経営であるため、収入を少なくすることで事務手間をなくし、個人事業主側で稼ぐ力を増加させるが良い方法かと思います。また、安くなった分の保険料は、積立NISAやiDeCoに充てることが良いかと思います。
最後に一点注意が必要です。
奥様がパートに出ており年収が100万円を超える場合は要注意です。
社会保険の場合は、扶養者は、本人との収入が2倍以上離れている者を申請できません。扶養は、主に収入がある人が親族を入れる制度です。
社会保証は、給与で見られてしまうため、奥様が倍以上に稼いでいるように見られてしまいます。
自分の収入が少ない場合は扶養に入れることができませんので、
その場合は、役員報酬を年間54万円〜90万円程度にすることで、奥様との収入の差を埋めることが必要となります。
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