こんにちは、新橋の税理士事務所、フェアネス税理士事務所代表の小長井です。
マイクロ法人設立を検討されている方、マイクロ法人を設立したけどどうするか悩みを抱えている方、マイクロ法人の三種の神器についてご存じですか?
どんなものがあるのか、お持ちかどうかをぜひご確認いただければと思います。
目次
1.ネット銀行口座
ネット銀行口座の開設はかなり重要な作業です。
ひと昔前では、ネット銀行に対し少し信用できないイメージがあり、大手や都市銀行、地方銀行が安心だと思う方が多いかもしれません。
現在ではネット銀行はかなり普及しており数もたくさんあります。
企業では、大手銀行にお任せしても良いですが、マイクロ法人経営の場合は話が変わってきます。
いざ会社を経営すると振り込み回数や入金確認が莫大に増えます。
大企業や歴史のある会社であれば、事務や総務の方が銀行へ赴き半日潰れてしまうことがありますが、マイクロ法人はシンプル経営がモットーのため人を極力雇いません。特にお金管理を他人に任せることも難しく自分で管理する必要があります。
もしネット銀行でない場合、金融機関へ赴く必要があります。
朝から準備を行い窓口へ並び、要件を話し、振り込み手続き、そして待ち時間…
あっという間に1時間が経過してしまいます。
マイクロ法人は社長1人で行うのが基本であるため無駄な時間を作ってはいけません。
そこで・・・
ネット銀行を利用することは、革命的に便利になります!
利用方法ですが、
法人口座と個人口座の双方開設します。利用シーンですが2パターンあります。
- ①役員報酬の振り込み (法人→個人口座へ)
- ②資金の送金 (個人→法人口座へ)
個人もネット銀行にしておくことがポイントです。
片方が紙の通帳では銀行への事務手間が増えてしまうため意味がありません。
双方をネット銀行にすることで、簡単にスピーディにスマートフォンから対応が行えます。
では、どのネット銀行がよいか??
圧倒的なオススメは、「楽天銀行」です。
楽天銀行は、税金と社会保険料の支払いができる数少ないネットバンクです。
社会保険料に関しては、毎月の支払いが必要です。
よって、上記2つをネット支払いで完結することにより、毎回銀行へ行く手間がなくなるのは大いにメリットですよね。特に月末や五十日などは混み合いますので、待ち時間がなくなるのは大変嬉しいことかと思います。
一点だけ注意が必要です。
楽天銀行はクラウド会計「Freee」と連携できません。
後述しますが、クラウド会計アプリとネット銀行はシステム連携が行える銀行が良いです。
よって、楽天銀行と連携するクラウド会計アプリは「Money Forward」をオススメします。
また、万が一、ネット銀行が利用できない場合があるかもしれません。
不測の事態に対応するために、予備として
「信用金庫」や「ゆうちょ銀行」等の口座があると更に安心だと思います。
事務手間をなくすために、ネット銀行を準備すること。革命的な時間削減になります。
2.法人クレジットカード
マイクロ法人三種の神器の2つ目は法人名義のクレジットカードの用意です。
開設するクレジット会社は、法人名義であればどちらでも構いません。
強いていうのであれば、
ご自身がよく利用されているポイント会社が良いかと思います。
なぜ三種の神器になるかというと、
現金を使わないためです!!!
”現金を利用”した瞬間、事務手間が発生してしまいます。
マイクロ法人はシンプル経営が基本です。
現金の管理は、とても大変です。
現金では個人のお金なのか、会社のお金なのか、どう利用したかが段々分からなくなってしまいがちです。
よって有耶無耶を防ぐためには現金を使わないことです。
昔に比べ現金を使わない時代になってきましたが、法人経営は特に一度も現金を利用しないぞ!という気概を持ち経営すべきです。
現金を利用してしまうと、管理が大変です。
残高の確認や現金出納帳を作る必要も出てきてしまいます。クレジット支払いを利用することで、事務手間を削減することができます。
ただし、事務手間をなくすポイントとして
クレジットカードをクラウド会計アプリと自動連携させることを忘れないでください。自動連携しない場合、ご自身で入力する事務手間が発生してしまいます。
現金を利用せず、法人クレジットカードを使う。そしてクラウド会計との連携を行う。
これが、本章のポイントとなります。
3.クラウド会計
マイクロ法人三種の神器の最後はクラウド会計アプリの利用です。
ネット銀行と法人クレジットカードはクラウド会計アプリとの連携が必須です。
昔は、利用した領収書を保管し銀行で記帳する必要があり、管理の手間も時間もかかってしまっていました。
クラウド会計アプリを利用することで、即時把握することができるようになります。
現在、クラウド会計アプリも多数販売されておりますが、税理士の観点ですと
「Freee」と「Money Forward」の2択です。
Freeeは一番有名なアプリかと思います。確定申告ではCMも多く見かけたことがあるかもしれません。初心者向けですが、簿記や会計知識のある方にとっては、少し利用しにくい独特なシステムな印象があります。
簿記や会計知識のある方は、Money Forwardの方が使いやすさがあるかと思います。
また、楽天銀行との連携の観点からも、クラウド会計アプリは、FreeeよりMoney Forwardの方がオススメとなります。
4.まとめ
マイクロ法人三種の神器、覚えていただけたでしょうか?
「クラウド会計」を自動連携するために、「ネット銀行」と「法人クレジットカード」を用意しましょう。
三種の神器を用意することで、マイクロ法人をシンプル化させることが出来ます。
マイクロ法人は1人社長で対応するために、記帳をなるべく減らし、無駄な金融機関へ訪問回数を減らしましょう。
シンプル経営には、事務処理を増やさないことが重要になってきます。
数年前であれば事務員を雇う必要がありましたが、クレジットカード、ネット銀行、クラウド会計を利用することにより、圧倒的に経理の事務手間を削減することができるようになりました。
現代ではマイクロ法人が一人社長での経営が実現できるまでテクノロジーが成長してきました。
この三種の神器を利用しない理由はありません。
最後に一点注意です。
クラウド会計は魔法ではありません。
クレジットカードやネット銀行と自動連携することで、自動で全ての”正しい”仕訳や決算書が作成できる訳ではありません。
確認が必要です。
取り込みの仕分けが誤っている可能性もあります。
確認するためには、簿記や税金の知識が必要です。知識がない方は第三者へお願いする必要が出てきます。確認は税理士へお願いするのがベストです。
完璧だと思った仕訳や決算書も中身を確認すると内容誤りが多々見受けられます。
プロが確認すれば一目瞭然です。
便利なツールですが、全てお任せするのではなく、基礎の部分をきちんと確認することを忘れないでください。
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