こんにちは、新橋の税理士事務所、フェアネス税理士事務所代表の小長井です。皆さんは友人の社長にお金を貸してくれといわれたことがありますか?経験をするかたは少ないと思いますが、興味のある方は多いのはないでしょうか。とくに会社にお金を貸すと出資するの違いをちゃんと説明できますか。税理士の視点から実務で経験した体験談を含みながらご紹介をしますのでぜひ最後まで読んでみてください。
目次
1友達の社長にお金を貸してと言われた
ある日、昔からの友人から連絡がきて会社を作ったからお金を貸して欲しいといわれた。なんてシチュエーションがあったらあなたならどうしますか?どのように判断をすれば良いかはお金を貸すということがどういうことかを理解することが大切です。理解したうえで、お金を貸せば返金されなかったときのショックも少ないことでしょう。
まずお金を貸すということは債権者になるということです。銀行などが融資をすることと同じですね。あなたの立場は銀行と同じ立ち位置になります。この時いわれた金額を貸すだけでも後日返済を要求することができますが、
紙の契約書を作ることを絶対おススメします。
金銭消費貸借契約書とよばれます。長い名前で良くわからないと思った方もネットにサンプルが転がっていますのでそちらを自分風にアレンジをすれば意外に簡単に作ることができます。
貸付金額、貸付期間、利息などをきめれば良いです。口頭だと貸した貸さないということがあります。こちらが思っていることが当然向こうにも伝わっているだろうと考えることキケンです。大切な友人に貸すならいいづらいくても紙で契約書をつくることが大切でです。
お金を貸したら通常は分割で返してもらいます。銀行などからの融資ではないので10年間返済なしでも良いならそれでもOKです。実際、実務の現場でも友人・知人からお金を借りている会社が毎月しっかりと返済しているパターンは珍しくまとまったお金を返すことが多いようです。利息も取らないことが多かったですね。
債権者という立場は後ほどの出資でご説明しますが、株主の立場より弱いです。会社にものを言えることも少ないです。しかし貸したお金が戻ってくる確率は出資より可能性が高いように感じます。
またお金を貸すメリットととしては利息が受取ることができます。これも最初に契約書に記載をしておけば互いに納得しているためもらえる可能性が高いです。
2出資するとは経営に関与すること
続いで出資について解説します。友人の社長にうちの会社に出資をしてくれといわれたどうするか?ですね。
まずは出資をすると立場は株主となります。
これは先ほど債権者より強い力をもっています。会社は誰のものか?株主のものです。社長のものではありません。日本の中小企業は株主=社長であることが多いため会社は社長のものと思っている方もいますが、社長は株主に選ばれたひとです。あなたが会社の株式を半数以上もっていれば自分が好きな人を社長にすることだってできます。
株主の権利としては株主総会の参加、経営判断に関与、決算書をみることができるなど債権者より多くの権利があります。
このようにいうと貸付より出資の方がいいじゃんと思うかも知れませんが、出資にも注意点があります。それは出資した金額はなかなか戻って来ないということです。株主の権利として株式の買取請求を会社にすることができますが、実際それを行っている方を実務でもみることはあまりありません。
貸付の場合は、最初に貸付期間を決めて毎月一定金額を返済するように契約をすればそのように進むことが多いですが、出資の場合、最初に返済期間などをは決めれません。そもそもが返済ではなく買取請求です。都度都度、買取請求をすることは難しいですよね。
出資金を回収する方法のもう一つとしては、その会社が上場したら市場で売却をするという手段です。この方法なら出資額以上のリターンが期待できます。
100万円で貸していたらもしかしたら1,000万円で市場で売れるかもしれません。しかし実態は難しいです。上場までにいける会社はかなり限られてます。出資する友人がかなり優秀で上場までいける!!と思うなら出資しても良いでしょう。しかし実際は出資して上場までは難しく、結局一部の出資額も戻って来ないなってことがよく実務ではある話です。
続いて出資するもう一つのメリットは配当金ですね。貸付の場合は利息でしたが、出資の場合は配当金。しかしこちらも貸付とは違い強制力が弱いです。貸付の場合最初に年何パーセントの利息を受取ると契約をすればその通りに受取ることができますが、配当の場合毎年の経営判断になります。
今年は利益が出なかったので配当をしませんといわれたら一円ももらえません。利益が出ていても今後の投資をするための原資にしますと経営判断をされたらこちらももらえません。
株主ですから配当を出すように要求することができますが、配当するかどうかは経営判断を任せた社長が決めることになります。またその手続きを正式にしようと思うと都度弁護士に相談するなどそれなりの報酬が発生するため実際にそこまで行動を起こす人は少ないようです。
3自分が出資しているのか貸付をしているかしっかり把握しよう
実務であった話ですが、新規ビジネスのためにお金を集めました。会社としては出資として取扱ています。しかし実際はむかしのように株券を発行することはありません。そのためお金を出した人は出資ではなく貸付だと思っている人いました。
貸付だから返済を要求すれば戻ってくと考えています。まだ返済を依頼していながい、いつかは返してもらうつもり。これは完全にボタンのかけ違いが起きてます。
会社としては出資であるため返済の義務はありません。実施のところ集めたお金でビジネスを始めましたが、上手く行かず、資金も尽きていました。経営努力はしていますがとても株主に還元できる状態ではありません。
今後は出資額を払い戻してと言っても応じることは難しいでしょう。
このようなことが起きないようにするためには最初に出資にするのか貸付にするかをきっぱり決める必要があります。貸付なら契約書を作るが大原則です。
4まとめ
会社への貸付と出資の違いどうだったでしょうか。実務の現場で両方のパターンをみてきた税理士の私が友人にお金を貸して又は出資してといわれたら、、、結論は決まってます。断ります。もしその友人のために何かしたいと思うなら友人の会社の商品なりサービスを買うことで友人の会社に貢献をしようと考えます。
お金が関わるとどうしてもいままで通りの関係とはいきません。今まで通りの友人関係を続けたいのであれば、出資・貸付はしない方がいいと思います。
どうしても貸付・出資をする必要がでてきたらそのお金は返ってこないものとして諦めます。最初から戻ってこないものなら催促などの必要はありませんからね。
しかしながら貸付・出資どちらにせよするならば知識をつけて、自分が行った判断を後悔しないようにしましょう。
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