知っておきたい贈与の仕方2種類

2021.09.17 | 事業承継・相続

こんにちは、新橋にて事務所運営をしておりますフェアネス税理士事務所代表の小長井です。今回は贈与の方法について2種類紹介します。この2つを知っていれば贈与についてはOKです。それでは本日も元気に税金の勉強をしていきましょう!

1メジャーな方法、暦年贈与

こちらが一番有名な方法です。経済雑誌などで取扱いをされております。110万円まで贈与税がかからないとはこちらの方法です。結論は毎年110万円までは贈与税がかかりませんが、多額の贈与をする場合は相続税率を確認しながらシミュレーションが必要ということです。

(1)計算方法
暦年贈与税は1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産額をもとに計算をします。算式は次の通りです。

贈与税=(1年間に贈与をされた金額の合計額ー基礎控除110万円)×税率ー控除額

この基礎控除が1年間で贈与を受けた金額のうち、贈与税がかからない金額となります。例えばお父さんから90万円の贈与を受けた。これは110万円以内ですよね。そのため贈与税はゼロ円です。ここで注意しなければならないのは、贈与の合計額110万円以内とういうことです。上記の例で言うと実はおじいちゃんからも100万円贈与を受けていたとします。すると二人合わせて190万円です。110万円を80万円超えてますのでこの80万円に贈与税が課せられます。

ちなみに暦年贈与については平成27年に税率が改定されて、2種類になりました。下の税率は1)2)どちらも同じですが、MAX税率までになる区分が異なります。詳細を知りたい方は国税庁のHPをご覧くださいね。
当然ですが他人からもらうより直系尊属(父親やおじいちゃんなど)からもらう方が優遇をされてます。

1)20才以上の人が直系尊属(父親やおじいちゃんなど)から贈与受けた場合
200万円以下は税率10%~4500万円超は税率55%


2)1)以外の人が贈与を受けた場合
200万円以下は税率10%~3300万円超は税率55%

暦年贈与の申告期限は2月1日~3月15日となっておりますのでお忘れないようにしてください。

2取扱い注意!相続時精算課税制度

続いては相続時精算課税制度です。先ほどの暦年贈与110万円はご存知の方も多いですが、この相続時精算課税制度について認知度がそこまで高くはありませんが、取扱い注意となっております。字の通り相続時に贈与を精算する制度ですがこれがなかなかやっかいです。内容は次の通りです
1)60才以上の個人から財産を受けた20才以上の子や孫が選択適用により適用できます

なお令和4年4月1日以後の贈与については18才以上に改正をされます

2)相続時精算課税制度の適用を受けた場合は累計額2500万円まで贈与税の負担なしで贈与できます。2500万円を超える部分については20%との税率が課せられます。この2500万円の枠は使い切るまで複数年に繰り越すことができます。しかし使い切った後は枠が復活することはありません。例えばお父さんから2018年に2000万円の贈与を受けた。2019年は贈与なし。2020年は800万円の贈与を受けた。2020年については300万円×20%=60万円の税金がかかります。今後は贈与の金額に関わらず20%の税率が課せられます。また、この相続時精算課税は人ごとに選択をすることができますので、お母さんからもらう贈与についても相続時精算課税を選択すると2500万円の枠が使えます。父と母合わせると5000万円の枠があるということです。一方でおじいちゃんからの贈与は相続時精算課税を選択しないで暦年贈与とすれば毎年110万円が非課税となります。

3)相続時精算課税により贈与を受けた場合は相続時にその金額を取り込む必要があります

これは上記で説明した通りですが、暦年贈与は贈与を受けた続柄によりますが相続発生してから3年以内で、それ以上過去は取り込み不要です。精算課税を選択した時点までさかのぼり取り込む必要があります。10年前に相続時選択課税を選択しており1000万円の贈与を受けていたら、当時は2500万円以内のため贈与税を支払いませんが、相続に取り込まれて支払う必要がでてきます

4)一度相続時精算課税を選択すると暦年贈与に戻すことはできません

このため慎重な判断が必要です。間違えて相続精算課税を選択したけれどやっぱり暦年贈与に戻したいなどはできません。相続時精算課税を選択する場合は税理士と相談することをおススメします。選択した後にやはり変更したいんですが、、、と税理士に相談してもどうにもなりません。ましてや税務署に相談したら全然話をきいてもらえないのではないでしょうか。

適用を受けるために2月1日から3月15日までに間に【相続時精算課税制度選択届出書】と一定の書類、贈与税の申告書を提出する必要があります。

3まとめ

今回の暦年贈与、相続時精算課税について、いかがでしょうか。特に相続時精算課税制度は一度選択すると変更することができない。選択してからの贈与は全て相続時に取り込まれるというデメリットがあります。実際私が、実務で経験したものには、お父様やお母様が勝手に相続時精算課税制度を適用しており、それを子どもは知らなかったというパターンも見受けられます(実際は贈与は双方が認識していることが条件ではあるのですが、両親がよかれと思って行ってます)。当時の贈与した税理士と相続税の申告する税理士が異なる。親は亡くなっており、子どもは精算課税制度を選択している事実は知らない。このまま相続税の申告書を提出すると申告漏れになります。そして税務署はデータが残っておりますので調査にきて、指摘をするワケです。私の場合は、相続人によくヒアリングをして本当に贈与うけてませんか?精算課税制度というものを実はご両親が使っているのではないですか?と何度も確認したら、相続人の方がよくよく調べて、やはり適用しているいうことがありました。

相続税、贈与税は金額が大きくないし、税務署にバレないだろうと思ってこっそり資金を移そうとする方がいますが、絶対にやめてください。税務署に隠すことは無理です。

フェアネス税理士事務所は新橋、汐留、浜松町、大門から徒歩圏内にある事務所です。相続税、贈与税についても、資金移動方法の相談を受け付けております。初回無料相談も実施してますので下記よりご利用ください。それではまた次回の記事でお会いしましょう!

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