こんにちは、新橋の税理士事務所、フェアネス税理士事務所代表の小長井です。新型コロナウイルス対策として持続化給付金や家賃支援給付金を受け取った企業や個人事業主は多いのではないでしょうか。これらは税金がかかります。せっかく入った給付金・協力金を税金でもっていかれてしまうのはもったいないですよね。そこでまだ間に合う、税理士おススメ節税方法をご紹介します。
目次
1小規模企業共済
一言でいうと【個人事業主や中小企業経営者向けの退職金制度】です。
個人事業主は自分で事業を辞めた時の退職金を自分で用意しなければなりません。自分でコツコツ貯めれればいいですが、なかなか難しいですよね。
そこで政府系の独立行政法人である「中小企業基盤整備機構」が運営している小規模共済を使うことをおススメします。政府系なので国の財政が極端にダメにならない限りに間違いなく元本は保障されます。
なぜ将来の退職金が節税になるかというと払った掛金が経費として認められます。もらった給付金・協力金を退職金にしようとして自分の口座に入れておくだけではそのお金に税金がかかります。
しかしほぼ確実に安全の政府系機関にお金を預けるだけで経費にできるのです。
ただし注意点は20年未満の解約については元本割れをします。しかしこれは本来の役割は退職金の積立、余剰資金で行うため中途解約する必要はないはずです。
1)掛金
月額で1,000円から最大で7万円掛けることができる。さらに来年分の前納一括払いも可能です。まさに今回の給付金・協力金を受け取ったあなたにはぴったりの制度です。いつもより多額の資金がある今年に来年分を一括前納してしまいましょう。12月中に振り込めば7万円×12か月=84万円の経費を計上することができるのです。
所得税・住民税は課税所得900万円を超える利益には合計43%の税金がかかります。何もしなければ84万円×43%=36万円の税金がかかかります。
一括で年間分を払えば36万円の節税になります。
しかも掛金はまた最低の1,000円に減らすことができます。再来年は特に大きな収入がないのであれば最低限の掛金である1,000円にしましょう。
2)掛けたお金を受取るとき
保険などはかけたとき経費になるが、受取ったときも利益になり税金を払うことになります。しかしこの小規模共済なら大丈夫。受取の際に退職所得扱いにとしてくれます。退職所得は老後資金ということでかなり税制が優遇されてますので多くの方は税金はかかりません。詳細は別記事で書きましのでそちらを参考にしてみてください。
退職金を支払った会社はどのような処理をするの? | フェアネス税理士事務所 (fairnesstax.com)
3)なんと貸付金の機能もある
金利1.5%、期限一括返済ですが、掛金分を借りることができます。事業が一時的に厳しく現金が必要。小規模共済を解約すると元本割れするから嫌だ。というときに便利です。事業の業績が戻る見込みが十分にあるなら解約せず、貸付機能をつかいましょう。
参考に小規模共済のURLを添付します。
小規模企業共済|小規模企業共済(中小機構) (smrj.go.jp)
2倒産防止共済(経営セーフティ共済)
名前の通り、中小企業の連鎖倒産を防ぐため共済で掛金の10倍まで無担保・無保証・無利子で借りることができます。なぜこれが節税になるか?掛金が経費になります。
1)掛金
月額5,000円~20万円まで掛けることができます。しかも小規模共済と同じで、前納制度を利用して1年分をまとめて支払うことができます。給付金・協力金をもらったあなたは12か月までに申込・振込をすると20万円×12か月=240万円の経費を計上することができるのです。
先ほどの例でいうと課税所得900万円を超える金額が240万円あると場合はそれをすべて倒産防止共済に掛ければ本来は43%が税率であるため
100万円以上の税金をとられますが、その100万円が節税できます。
しかも途中、掛金減らしてもを5年以上掛金を支払い続ければ解約時100%元本が保証されます。ここまで読むと掛ける金額も大きく節税効果があり、しかも掛ける期間が5年で100%元本保証されるなら小規模共済より倒産防止共済が良いと思ったあなた。そんなにあまくありません。次を確認してみましょう。
2)掛けたお金を受取るとき
これが倒産防止共済は難しい。掛けた期間が5年経ったから解約して返戻金を受取ろうとしますよね。するとこの返戻金に税金がかかります。返戻金受取時の税率が43%だったら240万の返戻金に対して100万円の税金がとられます。しかし給付金・助成金で所得税の税率が上がった人はチャンスがあります。課税所得が330万円~695万円の所得税は20%です。住民税とあわせても30%です。
つまり返戻金の課税所得が330万円だったら返戻金を合わせても570万円です。240万円×30%=72万円の税金がかかりますが、掛けたときの節税効果が100万円程度です。
28万円には税金がかからずもらえたことになります。
3)当然貸付金機能もある
中小企業倒産防止共済は節税効果もありますが、本来の目的は連鎖倒産を防ぐためのものです。取引先が倒産をしたら銀行より早くお金を借りられます。銀行の融資を待っていたら自社も倒産してしまうというときの切羽詰まった状態では非常に助かります。借入できる金額は掛金の10倍を借りることができます。掛金の上限が800万円ですので8,000万円の借入れができます。
無担保無保証無利子といえども実はデメリットもあります。借入額の10%が手数料として取られます。実質利率10%はすごいですね。8,000万円借りたら800万円の手数料です。しかし非常事態では選択の余地はありません。また取引先が急に倒産するなどしなければらつかない機能です。いざというときのお守りくらに思た方がよいでしょう。
こちらも参考に倒産防止共済のURLを添付します。
経営セーフティ共済|経営セーフティ共済(中小機構) (smrj.go.jp)
3まとめ
まだ間に合う!給付金・協力金をもらったあなたへの節税対策どうだったでしょうか。個人事業主は所得税が累進課税になっているため一時的に収入が増えると税率が増加します。その際には節税(課税の繰り延べ)をしましょう。倒産防止共済は本来は節税商品ではありませんが、最大240万円を繰り延べることができます。
小規模共済は最大で84万円ですが受取るとき退職所得になるため税制優遇がありました。どちらも非常に優秀な制度ですがなぜ知られてないか?売る側がトクをしないからです。保険や金融機関が売る商品はすべてとはいいませんが、多くは売る側の利益が上乗せされます。つまり加入者からすると手数料を払う必要があります。だから売る方は有名人などを起用して
なんとか売ろうとします。
ほんとに優秀な節税商品はむこうからきません。自分で探しましょう。今回ご紹介した二つは地味ですが素晴らしい節税商品です。個人事業主の方は12月までまだ時間がありますのでぜひ申込を検討してください。
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