令和4月1日以後も紙資料の保存は必要?!

2021.09.10 | 財務戦略・経営戦略

こんにちは、新橋にて事務所運営をしておりますフェアネス税理士事務所代表の小長井です。今回は経理のDXシリーズをご紹介します。令和4月1月1日より施行される新たな電子帳簿法ですがこれにより紙資料の扱いをどうするの?ということがあります。電子データと紙資料両方受領した場合、二種類の電子データを受領した場合の保存方法を解説します。それでは本日も元気に税金の勉強をしていきましょう!

1紙と電子データそれぞれ受け取った場合

まずは結論からです。二つとも保存が必要です。

小長井さん二つとも必要なのですか、、という声が聞こえてきそうですが、そうなんです。この後ご説明しますが、それぞれ法律が違うため、非常に手間がかかるようになってます。そもそも電子帳簿法は前からありましたが、令和4年1月1日施行で新たに使いやすくなります。なりますが、二種類保存は残念ながら必要です。

昨今の新型コロナウイルス禍でテレワークが進みました。取引先が自宅からとりあえずPDFデータを送ってその後、紙の請求書を送る。2度手間以外の何物でもありませんが、経理の現場では実際にあることです。私もお客様から同様の質問を受けてますがその都度、申し訳ないですが両方保存してくださいと言っております。詳細な考え方は次の通りです。

1)電子データを保存する理由
メール等で受領した請求書のデータは、電子帳簿法における電子取引に該当します。そのため令和4年1月1日以後に電子取引を行った場合は検索機能等を満たした上で、紙として出力するのではなく、電子データとしてそのまま保管をする必要があります。社内規定で紙で保存することが整備されている、印刷した紙にて承認を得るフローになっているとしても電子データを受領している時点で電子帳簿法に基づいて保管をする必要があります。そのため令和4年1月1日の施行に向けて、保存要件を満たす体制を構築する必要があります。

2)紙で保存する理由
続いて紙で保存する理由です。電子データで保管しているからいいでしょ~って思いたいですが、そうも行かないのです。電子データの保管は電子帳簿法で求められていますが、紙で受領した場合は、法人税法の規定で保管を求められてます。紙資料は法人税法上の取引関係書類に該当するためです。電子帳簿法の規定に基づく保存方法が確立されており、紙資料をもらわず電子データのみで受領した場合はもちろん電子データのみOKです。

そのため取引先には紙データを送らないでくださいと伝えることが大切ですね。

2二種類の電子データを受け取った場合

続いて二種類の電子データを受領した場合についてです。そもそも二種類の電子データとはどのようなものいうのでしょうか。例えば経理部がクラウドサービスを利用して取引先との間で請求書を受領します。続いて営業部が取引の内容確認のためにメールでPDF添付という形で請求書を受領した場合です。

この場合においては一種類のデータ保存でOKです。


どちらかの保存でOKですが、社内管理上は継続性を考慮して保管をした方がよいかと思います。同じ取引先にも関わらずメール添付のPDFで保管した月もあればクラウド上で保管している月もあるということはしない方が無難だと思います。

3まとめ

今回の電子データの保存方法のについてはいかがだったでしょうか。電子と紙、2種類で受取った場合はそれぞれ保管が必要。なぜならば法人税と電子帳簿法それぞれ法律が違うためです。一方で、電子データで同じ内容のものを2回受取った場合についてはどちらか1種類の保存で良かったですよね。これはどちらも同じ電子帳簿法に基づく保管だからです。経理のDXのためには電子帳簿法と法人税法どちらも理解する必要があります。あと、消費税法ですね。それぞれの法律でとても複雑ですので自社で導入する際は、税理士に相談することをおススメします。フェアネス税理士事務所は新橋、汐留、浜松町、大門から徒歩圏内にある事務所です。初回無料相談も下記より実施してますのでご利用ください。それではまた次回の記事でお会いしましょう!!

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